どうなる?「牛舎とサイロ」「羊蹄山の稜線」も 北海道新幹線の八雲・倶知安駅デザイン

新函館北斗駅〜札幌駅間で北海道新幹線の建設を進めている鉄道・運輸機構(JRTT)は、新駅のうち新八雲駅(仮称)と倶知安駅の駅舎デザイン案を作成し、2023年10月17日(火)に所在地の八雲町と倶知安町にそれぞれ提示しました。

2023年10月17日(火)にJRTTから倶知安町へ渡されたデザイン提案書と3つのデザイン素案(倶知安町Webサイトから引用)
2023年10月17日(火)にJRTTから倶知安町へ渡されたデザイン提案書と3つのデザイン素案(倶知安町Webサイトから引用)

「牧場の中にある駅」を具現化するとこうなる

JRTTは、地元に愛される駅を地域と協働でつくり上げることを基本姿勢としており、2021年5月に八雲町、長万部町、倶知安町、小樽市に新駅のデザインコンセプトを作成するよう依頼しました。各自治体は住民や関係団体の意見を取りまとめた要望書を翌2022年2月から7月までに提出しており、JRTTはこれらをもとに検討した各駅のデザイン案を用意して自治体に順次提案している段階です。

先行開業した奥津軽いまべつ駅、木古内駅と新函館北斗駅のデザインも同じ手法を用いて決められており、JRTTは「地域のランドマークとして親しまれ、さらには周辺エリアの観光拠点としてまちの活性化に一役買っている」と自信を見せます。

太平洋と日本海の二つの海を持つ日本で唯一の町である八雲町は新八雲駅について、シンプルで周囲の牧歌的風景に溶け込む「牧場の中にある駅」をコンセプトとしたデザインを要望していました。

それを参考に作成されたJRTTの駅舎デザインは3案です。イメージパースには、ガラス面を広く取ってホームから雄大な風景を一望できる駅、森の木立をイメージした縦ラインをリズミカルに取り入れた駅、八雲の伝統的な情景である牛舎やサイロをモチーフとした駅という3パターンの駅舎が描かれています。町は、この中からどのように決定するかを11月上旬の広報で知らせるとしています。

(新八雲駅と倶知安駅のデザインコンセプト、JRTTが提案した駅舎イメージパースなど詳細は下の図表を参照)

【図表で解説】新八雲駅と倶知安駅のデザインコンセプト、JRTTが提案した駅舎イメージパース

国際リゾートの玄関口にふさわしいのは?

一方、倶知安町が要望した倶知安駅のデザインコンセプトは「羊蹄の四季の恵み」です。羊蹄山麓の中心都市で国際的リゾート地を抱える同町は、四季を通じて自然景観と調和し、世界中からの来訪者と地域住民の双方に親しみやすい空間となることを新駅に期待しています。

これに呼応するJRTTのデザイン素案には、透明な大開放ガラスに山並みやまち並みが反射・投影される駅、角度や色合いを変化させた外壁面によって移ろいゆく四季を表現した駅、羊蹄山やニセコ連邦の雄大な風景をおおらかな稜線で表現した駅の3案が示されています。町は今後、町民にアンケートを取り、その結果などを踏まえて推薦案を一つに絞る予定です。

JRTTは10月20日(金)、長万部駅と新小樽駅(仮称)のデザイン素案も明らかにし、長万部町と小樽市にそれぞれ提示しました。各自治体が選定した案を回答するのは2024年度第1四半期頃で、その後、駅部分の具体的な設計を実施する流れです。

なお、札幌駅の駅舎の設計については札幌市やJR北海道と連携し、駅前再開発との整合を図りながら検討を進めていくとのことです。

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